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2011-12-26

耳川を目前にした中国・京勢

今回は島津征伐、耳川の一戦……の前に、なんか不安要素がある遠征勢。

島津中務、耳川の城を明け退くこと並びに高城を取り囲むこと(上)

大和大納言秀長卿が九万余騎を率いて耳川に着陣すると、
たとえいかなる鬼神であってもこの勢を相手に一戦しようとは思わないだろうに、
島津中務(家久)は名うての勇将なので、少しも臆さずに耳川の城に籠もっていた。
同(天正十五年三月)十二日、島津中務は総勢一万騎ほどで渡し口へ打ち出し、
堅固に備えを固めつつ、「ここを渡ってこい」と待ちかけていた。
しかし寄せ手は対象の下知を守ってまったく渡ってこないので、中務もやがて城中へと入っていった。

こうしたとき、吉川治部少輔元長様は、千代延与介・恋塚三郎兵衛尉を呼んで、
「夜に入ったらこの川を試しに渡ってみよ。
夜が明けたら一番に渡り、中務の城へ乗り込んでやろう」と言った。
二人は「承りました」と答えて、夜中に川の試し渡りをして馳せ帰り、川の浅深を事細かに報告する。
これはいとも簡単に渡れるとわかって、総勢がこの川を渡る先陣を切ってやりたいと、待っていた。

同十三日、また中務の一万余騎が渡し口へと押し寄せて、
「これっぽっちの小川も渡れんのか」と挑発して敵を招く。
かねてから心にかけていたことだけに、吉川元長・経言は、
その手勢三千余騎を打ち渡そうと、陣中から出て行く。
大納言秀長卿はこれを見て、すぐに小早川左衛門佐隆景に向かって、
「吉川兄弟はこれから川を渡るつもりらしい。あれを止めてきてくれ」と言った。
隆景様はすぐに使者を送って、「元長、もう少し待ちなさい。大将からの仰せだぞ」と制した。

元長・経言はすでに渡し口に着いていたが、隆景からの使者がきたのでしばらく馬をいなしていると、
隆景がたった一騎で駆け寄ってきた。
「大将秀長公の下知なのだから、これからこの川を渡ってはいけない。
敵がどんなに挑発してきても、深さもわからない早川を渡ろうというのはまったく愚かなことだ。
どこが浅瀬だと思って渡ろうというのか」と強く引き止める。
元長様はにっこりと笑って、「この川は、まさか宇治や勢田より流れがきついわけではないでしょう。
昔、足利・佐々木も渡ったのだから渡るのです。
この川に詳しくはありませんが、浅瀬は一目見てもわかるものです。
そのうえ、昨夜のうちに手の者に申し付けて試しに渡らせてみましたので、
川の浅さ・深さはよく存じております」と、川に入ろうとする。

隆景様は元長の鎧の袖をつかんだ。
「元長には物の怪でも憑いているのか。これほどの大河で、
しかも水底には大石・小石がごろごろしている。馬の足場が悪い。
試し渡りをさせたといっても、それだけでは十分ではあるまい。
たとえ一人や二人が裸になって渡ったとはいっても、大勢が川に入って渡るのはわけが違う。
味方の中には水練の得意でない者もたくさんいるだろうから、馬や筏がひっくり返ってしまえば、
いたずらに水の中で溺れ死ぬことになる。
それにだ。御大将の御下知であるぞ」

すると元長は、「昨夜試し渡りをさせたところ、深いところでも乳から首の辺りを越えません。
川の真ん中のあたりの七、八間ほどは、人が長く立っていられないようなので、
これは思い通りにわたれると思って打ち出てきました。
浅瀬は、敵もここが浅瀬だと知っているはずですから、昨日も出てきて備えを固めていたのです。
敵の振る舞いで浅瀬がわかります。
しかし、もし『渡し口だぞ』とだましてあらぬところを敵に渡らせ、
水に溺れたところを撃ってやろうとしているのではないかと思って、昨夜試し渡りをさせたのです。

中務は、大友義統のような弱い敵に勝って、ほかの者も豊後勢と同じように考え、
己が武勇を誇って敵をあざ笑う憎いやつです。
一番に押し渡って、敵を城中へと押し込んでやります。
そうすれば諸軍勢も跡について押し寄せるでしょうから、城の周りへと陣を寄せ、
すぐに柵を結いめぐらして、一人残らず討ち果たしてやれば、
薩隅の両国は刃を血で濡らさなくとも靡き従うと思います」と反論した。

そこへ、また秀長卿から軍使が遣わされてきて、
「今日川を渡ってはなりません。まず、皆さん引き揚げて、本陣へ集まってくだされ。
申し合わせることがあります」と言うので、隆景・元長は連れ立って本陣へと向かった。

大納言秀長卿が言うには、
「今日川を渡るのは延期して、明日未明に総勢を一度にドッと渡し、敵城を攻め取ろうではないか。
絶対に抜け駆けをしてはならん」とのこと。諸将はその言いつけを守った。
やがてまた秀長卿から、
「諸軍勢は柵の木一本、縄を少しずつ用意して川を越えてくれ。
敵の籠もった城の周りを一文字に切り結んでやろう」とあれば、
皆「承りました」と、その用意をして沿う軍勢の足並みをそろえ、夜が明けるのを今や遅しと待っていた。


以上、テキトー訳。つづく。

不安要素はおまえか、元長!!!

ちょ、隆景カッコイイ……!
抜け駆けしようとしてる部隊のもとへ、たった一騎でギャロップ……これは男前だわ。
でもこの人、いつも一人ぼっちな印象なんだよな。多分思い込みだけど。

対して元長は、試合勘はいいけれども詰めの浅い印象が残る。ちゃんと軍議せいと。
連携っていうか各将のコミュニケーションがうまいこといってないんだよな。
どこまでも自分ちルールで大規模な合同軍事行動に慣れてない。
どこまでが部隊の大将に任されていて、どこからが総大将の決定に従うのかが明確にされていない感じ。
もしかしてそれは明確でも、従わないやつが多いのか?
とりあえず軍事評定が統制を取る唯一の手段なのかな? はっきり言ってめんどい。
それぞれの家ごとなら、阿吽の呼吸でできることもあるんだろうけど。
ギクシャクしてんな、って印象。これ、もしかしてずっと続くのかな?

なんか先行きのよろしくない感じだけど、きっと島津相手だから盛り上がれるはず!
期待してるよ、家久さん!
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