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2012-02-09

九州・中国勢の渡河

前回までのあらすじ:
朝鮮出兵が始まったけど、小西・加藤(清)は先陣争いを白熱させている。
釜山海近辺の城は小西が一人でたいらげた。都入りは加藤(清)が務めることになった。
けれども山道を行ったコニタンの嫌がらせが炸裂、川を渡るための船を焼き、または流し、
下流を進む加藤(清)が渡河できずにもたついている間に、まんまと都に一番乗りを果たす。
しかしこの嫌がらせは後を追う諸将にも影響してるようだよ、コニタン!

※地味加藤さんだけ差別化のために「地味」がつけられているのがなんかモヤッとしたので
 せいしょこさんも「加藤(清)」と差別化してみた。


日本勢、朝鮮の都入りのこと(下)

九州・中国の兵たちは次々と渡っていったが、またしても都に至る川には船が一艘もなかった。
小早川中納言隆景卿は、川べりに立って、
「この川の船は先陣の兵たちが焼き捨てたとも、朝鮮人どもが流し捨てたとも言うが、
何とかして渡ってやろう。
海辺で暮らしていた者なら船のことをよく知っている。
乃美・村上をここへ」と、村上掃部助・同八郎左衛門・乃美孫兵衛尉らを呼ぶ。

「おまえたち、一働きしてこの軍勢を向こう岸へ渡せ」と命じると、
「かしこまりました」と、軍兵の中から水練の得意な者を三人選りすぐって、まずは泳いで渡らせる。
その者たちが焼き捨てられた船の板を集めて乗り付けてくれば、それをつなぎ合わせて、
隆景は手回りの兵を乗せて、向こう岸へと渡っていった。
残った諸軍兵は、皆筏を組んで乗り渡った。

その後、吉川侍従広家様は、中国勢の先陣を務めて都へと入っていこうとするも、
都川に差し掛かると、またしてもこちら岸には船が一艘もない。
中国の諸将たちは寄り集まって議論した。
「きっと向こう岸には船も数多くあるのだろうが、
この川の広さはただでさえ七、八町ほどもあると聞き及んでいたのに、
ここのところの雨天のせいで水かさが増しているようだ。
船がなければ渡りようがない。
流れが穏やかになるのを待って泳ぎの達者な者を選び、泳いで渡らせて、
船をこちら側へ漕いでこさせよう」

ここに、広家様の若党で相見神次郎という者が進み出て、
「私は伯耆の出身で、湖で漁をしていたときには水底に入って時を過ごし、
波間に浮かんで日を送ってきました。
この川が増水していていかに川幅が広くなっていようとも、まさか一里を超えることはないでしょう。
たやすいことですので、私が泳ぎ渡って渡し舟でも乗り付けてまいりましょう。
ただし私一人ですので、船といっても一艘しか乗って帰れませんが」と申し出た。
広家様は、「なんと神妙な申し出だろうか」と、すぐに先陣の衆へ向けて、
「船を渡していただきたい」と記した書状を整えた。

相見はこれを髻に結び付けて、川へと飛び込んでいった。
水かさが増しているので、普段は藍色を湛えている水も黄河の流れのように変じている。
相見の頭上を波が襲いそうになると、神次郎は打ちかかる波にゆらりゆらりと水鳥が浮かぶように乗っていく。
背は水の上に出ていたので、最初のうちは鵜やカモメのように見えていたけれども、
だんだん波に隔てられて見えなくなっていった。
人々は皆、相見は泳ぎ疲れて主意中で溺死してしまったのだろうと噂し合った。

とそこへ、十二、三艘の船が岸へとやってくる。
先陣の将から足軽二、三十人をつけられた相見が乗り付けたのだ。
中国の諸将はこれを見て、「相見は水神の再来に違いない」「いや、鵜が人に化けているのかもしれんぞ」と
口々に言って褒め称えた。

こうして広家様がこの船に乗って川を渡ると、中国八州の兵は言うに及ばず、
備前勢・因幡・但馬あたりの兵たちも次々に乗り渡って、二、三日のうちに都へと入っていった。

高麗言葉のこと(省略)


以上、テキトー訳。

約5ページにわたってびっしりと書き付けられている「高麗言葉のこと」は省略する。
そのうち気が向いたら載せるかもしれないけど、辞書みたいなもんだしな。お話じゃない。

さて景様は実にドSっぷりがぶれないね!
「おまえたち、海辺に住んでたんだから、ない知恵絞って軍勢を渡河させなさい」とはまあ、
具体的に指示しない命令とか最高ですね!(*´д`*)ハァハァ
せっかく乗り付けた板も、自分のだけ組ませてとっとと渡っていっちゃうし。
この孤高っぷり……イイ……

てか景様って、「すぐにわかったとか言うやつは本当は理解してない」って言ってた逸話があるけど、
おたくの下僕たちは揃いも揃って何も訪ねないまま
「かしこまりましたー( ´ ▽ ` )ノ」って行動に移っちゃってるよw
ご主人様のためにワラワラ働く小早川勢かわいいなオイ。

あと広家! 美化されてんのは重々承知してるけど、優しさに胸が千切れそう!
相見「俺、泳いで船乗り付けてきますよ。一艘しか乗ってこれませんが」
広家「おまえいいヤツだな……先に行ってる将に手紙書くから協力してもらいなさいね」
ってもう! 家臣思いだよね! ご奉公させてくれー!!!
他の将にも優しいしね! うん、美化されてるんだろうけど!
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