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2012-06-22

リア充が爆発してしまったようです

これまで読んでいた話の時期からいきなり永禄11年(1568年)まで遡る。
ええと、このころはまだ元就じいさまが生きてるころだな。
元春・隆景たちが九州に出征して大友とドンパチをやることになるわけだけど、
今回はそのきっかけになった出来事のお話。

立花城の戦いはずっと読みたいなーと思ってたところなんだけど、
なんかこのきっかけの出来事の話がいやに長い……いつもどおり細切れに読んでいきます。


塩売弥太郎、立花を殺すこと(1)

立花で事件が起こって、毛利と大友が戦争になった。
そのきっかけを尋ねきくと、筑前の国に両立花と呼ばれて久しい国人がいたが、
その庶流の立花の何某の好色のせいだという。
立花は九州第一の美人を妻にして、その寵愛も甚だしく、
昼は一日中ともに語らい、夜となればずっと枕を並べて、かの長恨歌のように、
「天では願わくば比翼の鳥となり、地では願わくば連理の枝となりたいものだ」と二星に誓った。
「我が身の上に白波の、塩ならぬ海が七度まで芦原となったとしても、妹背の仲は変わらずにいよう」と、
来世のことまでも約束しあった。

しかし愛別離苦の習いの恐ろしさか、この女房はすぐに煩ってしまい、
寝もせず起きもせずふらふらとして、とても苦しげに面やつれして、
ずっと床に臥せっているようになってしまった。
乳人の女房などが「これはきっと、これからおめでたいことが起きるのでしょう。
世の人も振り向くような玉の男の子をお産みになるのではないでしょうか」と喜んで騒いでいたが、
そうではなくて、容貌は日に日に衰え、心は次第に弱っていった。
咲き誇っていた花の色が衰え、かすかに残っていた香りさえ、
誘う風でもあれば簡単に散ってしまいそうな様子である。
立花はひどく驚いて医療の術を尽くし、貴僧高僧を呼び寄せて大規模な祈祷を行わせたが、
その甲斐もなく、女房は次第に力が衰え、実に頼りない有様になってしまった。

女房は立花をそばに呼んで、とても苦しそうに息をつき、ひどく気だるそうに、
しばらくは物も言わずにいたが、ややあって話し始めた。
「のう立花殿、私は今こんなに重い病になってしまって、もう黄泉路に旅立ってしまいそうです。
生者必滅が世の習いなのですから、いまさらこれを嘆いても仕方ありません。こんなに早く穢土を離れ、九品の蓮台に生を受けられるのなら、嬉しくさえ思います。
しかし、女は五障三従の罪が深いものですから、成仏・解脱はしづらいものと聞いております。
けれども法華経王の功徳があれば、罪業の深い女人をもたちまち変成男子にして、
安養不退の極楽に往生できるとも聞き及びますから、
私が身罷った後は、どうか法華経を読誦し、あるいは写経するなどして、丁重に弔ってください。

一本の木の下で休んだり、川の流れを汲むにしても、すべてが他生の縁と聞いております。
ましてやこの三年間、一緒に日々を送ってきたこの名残は、たとえ生を隔てても忘れたりいたしません。
ただあなたの行く末だけが、この世で唯一の心残りです。
この妄執は罪深く、邪淫の罪が重くて、とても暗い道に踏み惑う原因になりそうです。
しかし、夫婦は二世の契りなどと申しますから、
来世も同じ蓮の台に、半分ずつ場所を分け合って座りましょう。

でも人の心は色に見えず、移り変わっていくものですから、
我が身が露と消えてからは、またどこかの人と添って、
私のことは仮初の夢にも思い出すことはなくなるのでしょう。
互いに忘れないようにしようと約束したことは、我が身一つの誠なのでしょう。
なんと恨めしい世の中でしょうか。
三年間も、春の夢のような手枕のなかにいたというのに、その甲斐もなく約束など簡単に破れてしまう。
返す返すも恨めしくございます」と、女房は涙に暮れていた。

しばらくして、「こんなふうに取り乱してしまって、我ながら情けないことです。
こんなことを言ってしまったのも、邪淫の妄執が深く、愛欲の念に囚われて、
迷いの雲が厚く心の月の光を見失いやすくなって、
楽しむばかりの国へとつながる道を妨げているのだと思います。
南無本法師釈迦牟尼仏、私の妄執を晴らしてください。
この人が他の妻を迎えることも、浮世の習いなのですから、露ほども恨めしいとは思いません。
どんな人でも、この人が見初めた方ならそれでいい。
お心をお慰めになって、また私の供養もお忘れにならず、
経を書き題目を唱えて、私の後生をよく弔ってください」と心細げに掻き口説いた。

立花は聞いていられず、肝魂が身から離れそうになり、
「そう心弱いことを申すな。
これほど、諸仏諸神に祈祷させているのだから、忝きご利益がないということはなかろう。
もしも偕老同穴の契りに終わりが来て、おまえが黄泉のへと旅立つならば、
私一人がこの浮世にとどまって、何の意味があろうか。
同じ野辺の煙となって、六道四生のその間も、苦楽をともにしようではないか。
もしまた一族郎党たちが私が死ぬのを許さなければ、せめて元結を切り、法師になって、
高野粉川の奥に分け入り、木の実を採り川の水を汲む身となって、
仏に仕えおまえの後生、菩提を弔おうと思う。

それに、他の妻を娶って心を慰めて欲しいなどと言うのはあんまりではないか。
我が日の本にいらっしゃる諸仏諸神、なかでも宇佐八幡大菩薩もお心得あれ。
おまえと離れたその後は、他の女と慣れ親しむことなど絶対にない。
私のことはどうでもいいと思って、一人捨て置き、冥土の旅に赴くのか。
私もまたおまえ一人をただ一人で死出の山、三途の川を越させたりはしない。
とにかく同道して一緒に行く」と、血の涙を流しながら嘆き悲しんだ。

女房は苦しそうに涙をこぼして夫の方を見ると、
「のう、それはなんと口惜しいおっしゃりようでしょう。夢とも現とも思えません。
弓馬を扱う家に生を受けたというのに、妻との別れを悲しんで遁世したり、自害などする人がありますか。
それに他の妻は娶らないなどというのも、なぜそんなことがおっしゃれるのか。
私のためのお情けでしたら、とても報いきれるものではありませんが、
これもまた世の中にありふれていることなのですから、
私のことは露ほどもお心にかけてくださらなくていいのです。
だって、妻がいなければ子孫は生まれないでしょう。子孫がなければ立花の家が断絶してしまいます。
妻との別れに心迷い、先祖代々弓取りとして伝えられてきた家を絶やしていいはずがありません。
私はたとえ生を隔てていたとしても、あなたの家を相続させる子孫がないとなれば悲しくて仕方ありません。
絶対に、そのようなことは夢にも思い定められますな。

どうかどうか、私が死んだらありがたいお経を書写し、読誦してよく弔ってください。
『かぎりとて別るる道の悲しきにいかまほしきは命なりけり(源氏物語、桐壺更衣)
』と昔の人が詠んだことも、今自分の身をもって知ることになりました。
もっと話したいことはあるのに、心に任せません。なんと名残惜しいことでしょう」と、
女房は夫の手を取って自分の胸にあて、やがて息を引き取った。

立花は、「これはどうしたことか」と呆然として、
最期の別れを悲しんで空になってしまった亡骸にすがりついて声をばかりに泣き叫んだ。
その様子は見るだけでもそうとう哀れなものだった。
こうしてばかりもいられないので、高位の僧を呼び寄せて、野辺の煙を見送った。
立花も同じ炎の中に行こうと、飛び込もうとしたところを、
一族郎党たちが急いで袂を引いて「何をなさる」と引き止めた。

生きていたころは憎く思っていた人であっても、もういないとなると恋しくなるのが世の習いだ。
ましてや、今度亡くしたのは、容貌に優れていただけでなく
心栄えも穏やかで世の人とは違った人だったと思い出されて、
誰もいない床に転がり、古い夜具や古い枕を忘れ形見だと思ったが、悲しみは癒されない。
あの人でなければと、心を痛めてなきたいと思っても、はや涙は尽き、叫ぼうとしても声が出ない。
ただ呆然としている立花の様子は、見る者の涙を誘った。

春の花を見ては「人面は知らず(崔護『人面桃花』、
桃の花は相変わらず美しいのに美しかった愛しい人はもういないという漢詩)」という詩を思い出し、
秋の月を詠むにも、「苔の下にも影や澄むらん(あの世でも月影は美しだろう?)」などと、
想像するだけでも胸がふさがって、袂を湿す。
その折につけても、落ちる涙が雨となって川に流れて増水すれば、
もしかしたらまたあの人が帰ってくるのではないだろうかと、いたずらに、空しいことを詠んでしまう。
恋しい人の残していった古い言葉ばかりが思い出されて、昼は終日泣き暮らし、
夜は朝まで泣き明かし、打ち沈んでばかりいた。


以上、テキトー訳。続く。

どんな血生臭い話が来るのかと思ったら、イチャイチャ夫婦……
ちょっと、死別とかの話になると「リア充爆発しろ」とか言えないねぇ。
なかなかに物悲しい。
私は脳内で広家と容光院夫婦に置き換えて読んでいたんだが、じゅるり……ハッ!
3年しか一緒に暮らしてないのに、ってところとか、奥さんが先立ってしまうところとか、
まじ広家夫妻のようで……!!!

最近まで私は夫婦萌えってのはなかったんだけど、
調べていくうちに女房衆の情報が集まってくると、奥さんたちのことが好きになっていくね。
尾崎局・新庄局が大好きです!!!
容光院は情報がイマイチ少なくて、妄想が大部分なんだけど、
それでも容光院の居館だったといわれる場所(元春隠居館跡の一画)からの出土物とか、
万徳院にある容光院墓所とかっていう情報で萌えているわけで。切ない。
ていうかコレべつに夫婦萌えじゃないなw

そんな感じに脱線しながら次回も続きを読むけど、
チラっと見ただけでも仏教がらみの漢文がゾロゾロ出てきているので、読み解ける気がしないwww
更新は進まないかもしれません。気長にお待ちください~ノシ
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