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2012-01-28

柳の隆景、元就はまさかの……

おっさんたちの夜長話@厳島宝前。
元就はマジすごい名将だよねー。子供たちもすごいよねー。
花木にたとえるなら、隆元は花の王の桜、元春は強く優美な梅花、まで読んだ。
今回は続きの隆景から。


厳島宝前物語のこと(3)

「また小早川隆景は、陽柳がほかの木に先立って緑葉を茂らすのに似ている。
この人は文武全備の将ではあるが、なかでも世を治め民を撫育する器量に秀で、愛和を第一とする仁将だ。
柳の青い色は春の木を司る。春はすなわち仁だ。
柳緑が藍より青い様は、隆景の仁と同じではないだろうか。

この人は常に危うい戦を慎み、策謀をもって敵をくじく手段を第一としているので、
武勇の聞こえは元春にいささか劣っているようではあるが、
だからといって武勇を備えていないわけでは断じてない。
それというのも、まだあれは天文二十年代だったか、安芸の国厳島で陶を倒したときには、
三浦越中守と自ら鉾を取って猛戦を果たした。
こうしてほかに方法がない場面では無二の働きをして勇を顕したが、
常に熟慮を重ねるがゆえに、強敵が来そうな先陣を避けて戦を慎むのだ。

だからこそ、大内・尼子・大友・秀吉などの大敵・強敵に対しても爪牙を隠し、
勇を裏に、謀を表にしていた。
武勇より知略、武芸より文学が得意なように見えるが、武勇に劣っているわけではないのだ。
常に『柔よく剛を制し弱よく強を制す』の手段を用いている。
『勝兵は水に似たり。それは至って柔弱なるものなり。
然れども触るるところの丘陵必ずこれがために崩る』と言うではないか。
隆景も常にこのように兵を用いる。
世俗のことわざにも『柳に風折なし』と言う。

最近の智将勇将、名を上げた人々が戦で利を失い多くの兵を失った例を挙げてみると、
上杉謙信の川中島の合戦、家康卿の三方ヶ原、勝頼の長篠、
秀吉公の小牧の合戦、信長の長嶋の退口などがある。
いずれも大将自ら手を砕き、勇を顕す防戦をしたといっても、
先ほど言ったように、所々で負け戦もあって、多くの兵を失った。

隆景は戦を慎んだからこそ、ほとんど大敗はなく、逆に敵を滅ぼしたことが何度もある。
大内・陶・尼子、そのほか三村のような者を、いくらとも数知れず滅ぼしている。
これは皆、柔を第一にして勝利を得たのだ。
雨の雫が庇の下の石を消し去るのと同じだ。
これはさっき言った陽柳が風になびきつつもかえって風を制する様に似ている。

こうした例えは皆、なんともぎこちなく聞こえるだろう。
わしは竹馬に鞭をくれていた幼いころから、山河での漁猟で生計を立てていたし、
また戦場では弓を引き剣を提げて、てきを滅ぼし味方を助けようと、そればかりに心を尽くしてきた。
つらい世の中でいたずらに日を過ごし、今は白髪の老人になったので、
和漢の書などというものは、その名前すら知らない。
イロハの『以』の字を牛の角に似ているやつだと覚えたほどの愚か者なので、
一つとして本質をうがつものはないかもしれない。
しかし、批判されるのも承知で、口に任せてしゃべってみたのだよ」

老人が語り終わると、坂東なまりの人が口を開いた。
「いやいや、ただいまの批評こそ、この大明神のご託宣かもしれない。
人知の及ぶものではないと感じたぞ。
隆元・元春・隆景を花柳にたとえたのだから、父元就の徳についても話してくれ。
何の草木に似ているだろうか」

尋ねられて、老人はこう言った。
「確かにあなたの言うように、わしは隆元兄弟を花柳になぞらえた。
花が赤く柳が緑になるのはすべて造物主の功で、陽春の和気が万物を成長させる。
であれば、天地陰陽の徳をもって、元就の智・仁・勇になぞらえることができるのではないかな。
千草万木をもってしても、とても並べることなどできないと思う」

坂東なまりの人は言った。
「この例えは実に雪上に霜を加えるようなものだ。
私は若年のころから武者修行をしながら諸国をめぐっていて、いろいろな家の戦備えの様子、
政道の善悪も一通り見聞きしてきた。
しかし元就を超える弓取は、二人といなかった。

この人は仁徳に厚く、民を撫育する志が深いからこそ、天もまた感応したのか、
丹比三百貫から次第に武威を増強して、十三ヶ国の太守となっただけでなく、
位は贈三位に至り、七十余年も長生きできた。
それに男子八人、女子二人の十人の子にも恵まれた。
その上、嫡孫の輝元は従二位中納言にまでなり、八ヶ国の太守になった。

隆景はまた豊前の一国・肥後二郡を領し、秀包も久留米で六万石を与えられている。
吉川広家は侍従に出世し、出雲・伯耆で秀吉公から十二万石、
元から毛利家より与えられている本領を併せて十五万石を知行するようになった。
そればかりでなく、秀吉公は西国に空いている国があれば宛行ってやろうと、
たいそう志を深くしているそうだ。きっとすぐに一国の主となるだろう。

こうして子孫が永久の徳を誇れるようになったのは、
元就から今に至るまで、嫡流の人々が皆、武勇も仁徳も兼ね備えていたからだろう。
あなたが言ったように、これは元就が天下に旗を揚げようとしなかったこと、
また子孫が皆良将だったことで、こうなったのだろうな」


以上、テキトー訳。ツヅクノデスw

天地陰陽の徳って、ケタ違いだな、元就!

それにしても、よくしゃべる爺ちゃんだぜ。
ようやく坂東なまりの人のターン。このまま次に続く。
正直飽きて……いにゃいにゃなんでもないDEATHよ、正矩たん。
ていうか正矩たんキャラクター化したくなってきたな。いじり倒したい。

隆景は思慮深さが強調されてんのな。
そのわりには若いころによく危ない目にあってる気がするんだけど気のせい?
「柔よく剛を制す」って、このころからあった言葉なのか。ちょっと驚き。
雨だれが石を穿ちいつかは穴を開けるように、
静かにしかし着々と乃美宗勝や豊前坊のM化を進める景様しか頭に浮かびませんでした。
脳が腐るってコワイね。

今回は広家の話題もほんのちょっと出てきたから嬉しい。
しばらくこの調子でおっさんたちの止め処ない話が続くよ~~~。
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