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2012-02-04

元春=迦葉、隆景=阿難、隆元は……(;ω;)

引き続き坊さんが語る元春・隆景。
えっ……隆元は!?


厳島宝前物語のこと(10)

「さて元就の文武の才は、元春・隆景に受け継がれた。
勇も智も仁も全備しているとはいっても、元春は戦国にふさわしい気質の持ち主で、
生まれながらにして武の才を備えている。

だから元就朝臣は嫡孫の輝元卿にも、
『元春は文武の道いずれにも欠けない良将だ。とりわけ勇智に優れて、
攻めれば取り、戦えば勝つ才能は、孫呉を髣髴とさせる。
戦のことはどんなことであろうと元春に任せなさい。
大敵・小敵・強敵・弱敵、どんな敵に遭って戦っても、必ず勝利するだろう。
たとえ天下の権勢を握ったとしても、武を表に出し文を裏にして、政を正しく行うと言う点で、
こうした乱世にあっては元春以上の将はいないだろう。

元春の意見を受け容れなければ戦で後手に回って武威も衰える。
諸葛孔明の出師の表(すいしのひょう)をよくよく見てごらん。
戦をすべきときを見逃してしまえば、必ず武威は衰えるものだ。
戦うべきか、戦わないべきか、その勝敗の見極めを元春の策謀にゆだねなさい』と言ったという。

たしかに尼子勝久退治、秀吉との数々の戦いで、元春が利を失ったことはない。
こうして元就が『勇謀は元春にあり』と褒め称えたことは、
仏が『私には正法眼蔵、涅槃妙心、実相無相、微妙法門があり、
文字を使わず教外に別伝して摩訶迦葉(釈迦の十大弟子の一人)に伝承した』と仰ったのと一緒だ。
元就の勇の教外別伝の内容は、元春に以心伝心したのだ。
兵法は意をもって授けるべきであって、言葉で伝えるべきではなく、言葉で伝える者はその道に暗い。
意をもって授ける者は、その道に精通している、というではないか。
これは仏が黙って花をひねったときに、
迦葉が仏の行動の意味を理解してにっこりと笑ったという話(拈華微笑)の真髄ではないだろうか。

仏は一字不説の妙を迦葉、阿難(釈迦の十大弟子の一人)がしっかりと会得し終えてから
鶏足山にお入りになった。
元春もまた嫡子の元長が智仁勇全備の将だと思ったからこそ、備中高松で秀吉公と和睦し、
毛利家の危機を救ってから家督を譲り、空いた時間を楽しんだ。
これはすなわち仏の鶏足山の件と同じだ。毛筋ほどの差もありはしない。

また隆景は文徳武を欠けることなく兼ね備えてはいるが、
なかでも治世で撫民に適した器の持ち主だ。
元就は嫡孫輝元への遺言にも
『国家が平和なときは隆景の智に任せて、国の政道に力を注ぎなさい。
おそらく細川武州禅門(頼之)の政道にも劣らないだろう。
こんな風に言うと、元春が文に暗く隆景が武を得意としていないように聞こえるかもしれないが、
そういうわけではない。
元春は古来稀なほど学問に通じているし、隆景も当世では抜きん出て武に長けているのだぞ』
と言い置いたそうだ。

隆景は文に秀でていると元就が評したことは、阿難が仏の一代限りの説法を伝来したのに似ている。
元就は、乱世だったから武を第一にして文を後回しにしたが、
元春を迦葉になぞらえ、隆景を阿難になぞらえた。
また、隆元・元春・隆景の兄弟三人は、元就の武徳文政の真髄を得ており、
誰が秀でている、劣っているといった差はない。
その証拠をいちいちあげつらうのは不可能だ」


以上、テキトー訳。

今回短いけど次の段落で切りどころがわからなくなったからここまで。
隆元もなんかもっとちゃんと評してやってくれよぅ!
お兄ちゃんかわいそうじゃないか。三兄弟のなかでは一番信心深そうなのに。

そしてふと気づいたけど、坊さんって説法で聴衆や著名人なんかを仏やその弟子にたとえて論評する、
といったことを、けっこう日常的にやってる人たちだよね。
元就が仏様にたとえられたからといって、別に特別ageてるってわけでもなさそう。
内容はきっちりageageだけど。

元春が拈華微笑をたとえに迦葉になぞらえられてるのは、なんか納得。
お兄ちゃんに「確かに手紙書かなくて悪かったけど、特に反対意見とかなかったから……」なんて
弁解の手紙送ってたりするし、なんか「言葉にしなくてもわかりあってるよね」的な
ちょっと乙女チックな思考回路持ってそうなイメージ。
あと元春が太平記書写始めたのって、タイミング的に隆元の追善なんじゃないかと個人的に疑ってるんだが、
これも以心伝心的な発想動機だったらいいなと妄想してます。

隆景が阿難になぞらえられるってのもちょっと笑える。
ほら、阿難って美男子すぎて女難に遭ってばかりいたって逸話があるし、
そのへんやっぱ美貌の叔父様にはぴったりなんではないかと。
まあ景様がモテてモテて困るとか言い出したらイヤミ以外の何ものでもないけどな。
モテたって逸話もないから別にいいか。

さて次は愛しの広家のことが語られてるよ!
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