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2011-09-12

未明、落つ

前回のあらすじがどーとか言う前に、
新しい記事書いて更新したら、全て消えたから萎えたわー。
ひどいよFC2。
アクセス集中して更新できなくてもせめて保存だけはしてくれ・・・

あらすじというか:
毛利軍の奇襲に慌てて防戦体制を整えるも、甲斐なく崩れ去る陶軍。
抗戦を下知する陶入道に従う者はなく、配下に抱えられるようにして大元浦まで引く。
さてここで、陣を立て直せるのか。


毛利右馬頭元就、厳島へ攻め渡り同所で合戦のこと(7)


陶入道は「大元浦で巻き返すぞ」と命じたが、形成が崩れてしまったので、
皆我も我もと船に乗ろうとするばかりで、
下り松の須屋あたりへ浜伝いに逃げていき、または山城の馬場まで行く者もいて、
足を止める者は一人もなかった。
さしもの入道も、こうなってはもうどうしようもなくなって、
「臆病も甚だしい者たちを率いても何にもならん。
 戦に負ける口惜しさよ。汚く引くよりも、ここで討ち死にするぞ!」
と怒りを露にした。三浦越中守は
「まずはお引きになって、再び大軍を起こし、会稽の恥を雪ぎましょうぞ!
 合戦は勝つも負けるも世の習いでございます。
 最終的に勝つことをこそお心がけくだされ。
 小事を追い命を捨てるのは一兵卒のやることでございます。
 大将のとるべき道ではない!急ぎ退却を!」
と手をとり、引き立てて落ちて行く。
入道は、ややもすれば、
「口惜しくも負けるわけのない戦に負けたのだ。取って返して討ち死にしてやる!」
と何度も踏みとどまって怒り狂った。

夜は未だ明けきらず、暗くもあり、不案内な場所だった。
しどろもどろになって辿っていくが、
浦に寄せる波の音を聞いては敵の鬨の声かと肝を潰し、
尾根の上の鹿を見ては追っ手の兵馬かと魂が抜けそうになった。
あるいは深さの知れない洞に飛び入り、岩で骨を砕いて死ぬ者もあり、
または千尋の海に落ちて、屍を波に砕かれて命を失う人もあった。
後ろから引き上げてくる者を敵兵が追いかけてくるものと勘違いして、
引き返して同士討ちに及ぶ者もあり、
行軍についていけない老武者は、船もなく、
山に分け入るのも思うようにいかないので、自害して突っ伏しているのも多かった。

平家の十万余騎が、木曽義仲の謀に騙されて倶利伽羅の谷に落ちたときも、
このような状況だったのだろうか。
この山中には太刀、薙刀、鎧その他の兵具類が多く、
百年が経っても木の葉に埋もれ苔に封じられて残っているのを、
炭焼きの老人や木の実拾いに来た子供たちが拾ってきて、家に持ち帰ることも多かった。

さて先立って逃げ、船に乗り込んだ者たちは、
島の戦況がどうなったのかと傍観していた。
次第に遅れて逃げてきて、
「どこどこの誰々という者だ、その船に乗せよ」と言う者もあり、
また自分の乗ってきた船を探し、家人の名を呼び、船頭の名を叫んで乗る者もあった。
大浜・宇嘉嶋たちが、「ところで入道はもう船にお乗りになったのか」と尋ねると、
大将よりも先に逃げる程度の者たちなのだ。
普通なら入道の行方なりとも、どうされているのかとも、
少しは知ろうとするものだろうが、
これらの者たちは、とにかく早く船を出して防州の地へ逃げ着こうと考えたのだろう。
皆全薑(ぜんきょう、陶晴賢)の様子を知っているかのように、「
あの船に乗船されました」「この船にお乗せいたしました」
「実際見ました」「知っております」と口々に言ったので、
警固の者たちはこれを本当だと信じた。
入道が未だ船に乗っていないなどとは夢にも思っていなかった。

こうしたところに、能島・来島をはじめ、
その他芸州の警固、浦・飯田などが浦々へ船を回し、敵船に切りかかってきた。
宇嘉嶋・大浜は、厳島の合戦で味方が打ち負けたのにまったく支えもしないまま、
防州の和木・室木辺りにまで逃げたが、ここにも長くはいられず、
同国の大畠目指して退却し、鳴門の迫門の逆巻波を利用して振り切った。
「さて入道はどこに」と尋ねても、
「どの船にもいらっしゃいません」との答え。
「なんということだ。なんのためにここまで逃れてきたのだ。
 入道殿の行方もわからぬとは、浅ましいことをしたものよ」
と千度も百度も悔い、悲しみ、手を換えて胸を打ち、
空を仰いで己の不覚を嘆いたが、どうしようもなかった。


以上、テキトー訳。

敗走側に焦点を当てるのは卑怯だと思う。
お涙頂戴じゃねーか。
悔しくて悲しくてたまらんじゃないか。
「墓無し(はかなし)」「甲斐無し」って言葉がイチイチ胸にくる。
いよいよふざけたこと抜かしてられなくなった。
まさか、古典でこれほど胸揺さぶられようとは。
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