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2012-07-15

広家の献身@少年向け読み物

今日も陰徳記はお休みで、追加で発見した少年向け読み物から、
広家サンのかっこいい話を抜き出しちゃうぜぇ(^―^) 手抜きだろぉ~

ほとんど訳す必要はないんだけれど、少しばかり読みやすくしようと試みてみますた。


吉川広家、十五歳にして先登(先駆け)す

 吉川広家、幼名は又次郎、はじめは経言という。元春の第三子である。
 天正二年正月、尼子勝久が因幡に侵攻して三城を攻略した。
 翌年の秋、元春は兵を率いて伯耆に入り、小早川隆景もまたこれに続き、
 鳥取城を攻め取り、さらに私部城を囲んだ。
 広家はここで先駆けを果たした。年は十五であった。

毛利勢は一挙に鳥取城を落とした。
山名豊国が兵を率いて私部城を攻め、橋をかけて谷を渡り、堀端近くまで押し寄せる。
城将の亀井新十郎茲矩は勇猛によく闘った。豊国は敗軍しておびただしい死者が出た。

広家はこれを聞いて歯軋りをし、私部城を見渡して独り言つ。
「いざ敵に出会って一鑓試みてこよう」
槍を掻き揚げて城中をにらみ付ける。
そばについていた小坂越中守が、広家の鎧の袖を掴んでそれを押しとどめた。
「鑓を交えるのは兵卒の仕事です。隊長であるあなたがやるべきことではありません」

広家はこれを聞いたとたんカラカラと笑い、
「父上や兄上ほどであればそうであろうな。だが私は居候の身分だ。
奮闘してようやく名を上げられるというもの」
と、進んで城に向かおうとした。
しかし越中守が馬を引きとめて放さず、広家は不本意にも思いとどまることとなった。

その夜、城将の茲矩はひそかに決死の兵を出して、寄せ手に襲い掛かった。
広家は真っ先に馬を乗り出し、鑓をひねって縦横無尽に奮い闘った。
広家が触れる者はみな斃れた。
敵兵は散々に負けて逃げ走る。

広家は勝ちに乗じて敵を追い詰め、そのまま城の堀際まで迫る。
味方の兵も続いてきて、ドッと鬨の声を上げた。山や川が震えるほどだった。
広家は兵たちを指揮し、揉みに揉んで激しく攻め戦い、ずっと手を緩めない。

城兵はすっかり疲れきり、もう防ぎ戦う気力もなく、城将茲矩はどうしようもなくなって、
ついに使者を遣わして「城兵の命を助けていただければ、城は明け渡します」と申し入れた。
取るべきは城であって人の命ではない。毛利勢が直ちにこれを許すと、茲矩は旗を巻いて城を落ちていった。
毛利勢が替わって城に入り、一文字三ツ星の旗が城の上に高く翻った。
この先駆けによって、広家の勇名が全軍に轟き渡った。

 野史氏(飯田忠彦?)はこう述べている。
 制韓の役では、広家は諸将とともに蔚山を救援し、野蛮な敵兵を大いに打ち破った。
 加藤清正は感嘆して、吉川氏の軍が最も強いと言ったそうだ。
 広家の勇猛さはおおむねこの通りである。

 また、最近の少年たちは、父兄に爵位があるからといって、父兄の財産を頼みにして、
 他人に対して傲然と驕り、自分から一生懸命に励むことで名を上げようとする者が少ない。
 広家の「私は居候の身分だ」という一言を聞いて、深く自戒する必要がある。

以上。
『少年武士道. 第1』 熊田葦城 著 (東亜堂, 1908) P112~116
先日と同様、近代デジタルライブラリーで読めます。
元就や秀元、立花宗茂、黒田長政などの逸話もあるので、興味があればぜひ。

このあたりの話は、まだ陰徳記で読んでないな。
陰徳記出典ぽい気がするから、かなり楽しみ((o(^-^)o))

まあ広家ちゃんがかっこいいのは当たり前なわけだけれどもw
この話をダシに「自分で努力することが大切だよ」と説かれるわけなのねwww
なかなか興味深い……

広家は自分でアレコレやりすぎて、ちょっと面倒なことになったりもしたね。
石見小笠原家への養子入り騒動は、どうも広家主導で動いてたみたいだし。
といっても元春たちの知らないところで根回ししていたとかではなく、
元春・元長も、気乗りはしないまでも、一応了承はしていた感じだ。
それで元春・元長から毛利本家へ相談しないまま話を詰めていったので、
輝元たちが吉川の行動を怪しんで大騒動に発展した、と。

たぶん、小笠原養子騒動は社会人向けの題材だな。
「このプロジェクトが失敗した原因と解決策を考える」みたいなワークショップやりたいwww

次こそは陰徳記に戻るぞーーー!
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小坂越中「行っては駄目よ又次郎!
    あなたはまだ何もわかってないんだわ。」
又次郎「分かってくれ小坂!
   俺はもう、『小さな元長の弟』ではないんだ。」
小坂越中「・・・・(どうしたっていうの?
    私は元長様から預かった、大切なあの子を止めなければいけない。
    なのに声が・・・)」
すいません昔の漫画で遊んでました。

広家の逸話はわりと沢山書かれてるんですよね。
こういうのを見ると広家が悪く言われるのはごく最近の西軍勢再評価の風潮からなのかなとつくづく思います。
その分逸話では輝ちゃん・安国寺さん・三成の扱いが可哀想ですが。
小笠原氏との縁組み破談事件、色々分かったら教えて下さい。
楽しみにしています。

Re: タイトルなし

ちえのわ様

メーテルウゥ~! で合ってますかねw

広家の逸話も、探してみるといろいろあるものですね。
加藤清正が馬印をあげる話なんかも、近デジで読める本に載っているようです。
景さま関連はさすがに多すぎて、一覧だけでお腹いっぱいになりましたw
ヒーローは悪役がいないと成り立たないものなので、
誰かがヒーローとして描かれると、誰かが悪役にされるのは仕方のないことなんでしょうね。

小笠原養子騒動関連は、いかんせん書状を読み解く能力がないとキツいです……_ノ乙(.ン、)_
元長兄さん……書状長すぎ……
でもあきらめずにがんばりたいと思いますヾ(・`ω´・)ノシ
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