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2012-08-10

両川の退き口

多くの会社が今日あたりからお盆休みに入ったようで、
通勤で利用する駅が帰省客や旅行客でごった返しててツライよ!
普段ならほとんどいないお子ちゃまとか、赤ちゃん抱いたお母さんとかいるからね。
ぶつからないようにするのに神経磨り減った><
でもちみっこや赤ちゃんに癒された(*´∇`*)
願わくば、故郷や旅行先で楽しく過ごせるといいねー!
お母さんやお父さんたちも、子連れで長距離移動は大変だろうけど、がんばってね!

(だいたいの流れとか、あらすじ的なものは文中にあるので、今回は省略!)


元春・隆景、立花の陣を引き払わるること(上)

さて、出雲では尼子孫四郎勝久が乱れ入ってきてその国を切り従え、
伯耆でも大山の宗徒などが味方したので、国人たちも多くが尼子の下知に従った。
また美作では、市・芦田・三浦などが蜂起して尼子に歩調を合わせ、高田・升形の城を攻めたそうだ。
山口へは大内輝弘が豊後から責め渡り、総勢八千余騎にまで膨れ上がって、
築山に陣を張って防長の通路を塞いでいる。
備後では藤井が蜂起し、江田の一族も密かに回文を回して国中の兵を集めていた。
石見には福屋隆包が戻ってこようとしている、などと、
あちらこちらから櫛の歯を引くように、長府・立花へと注進が入った。

元就様は、「まずは自国の敵を退治しなければ、九州で二島を切り従えても意味がない」と思ったので、
平佐藤右衛門尉(就之)を使者として元春・隆景へと遣わした。
輝弘のこと、また勝久のこと、そのほかあちこちで怨敵が蜂起している現状を伝え、
「まずは立花表を引き払って、大内・尼子といった敵を退治してほしい」と言い送る。

ここで吉川・小早川の両将が話し合った。
「これほど追い詰めて何度も合戦に及んだというのに、易々と退却しなくてはならないとは口惜しい限りだ。
自国に敵さえ蜂起しなければ、城は攻め落としたのだから、
後詰の敵と一戦して切り崩し、豊後まで攻め入って大友を成敗してやるのに、
こんなことになるとは無念で仕方ない。
今からこの陣を引き払うにしても、退き口が大事だ。
しばらくこの陣で敵の出方をうかがわなければならない。
もし城を攻め落とされたことに腹を立てて切りかかってくるなら、勝負をかけた一戦を遂げてから退却しよう。
これには五日から七日はかかるだろう。
その間、元就様・輝元様が少勢で長府にいらっしゃるのは心もとない。
急いで帰って力を添えてやってくれ」と、治部少輔元長を差し上した。

国で敵が現れなかったとしても、大友勢が十二万騎で後詰に来ているのだから、
たった四、五万の兵力ではとても支えられないというのに、
出雲・備後・周防に敵が乱入し、そのうえ南条・米原らを筆頭に、
多くの国人が国もとへと帰ってしまっている。
立花表は兵が減りすぎているのに、ここまで踏みとどまって敵との一戦を心にかけている
この両将の心中こそが不敵であった。

さて、元春・隆景は平佐にそれぞれの使者を添えて送り返し、
「この陣を退却するのは、敵陣がたった十町ほどの距離にあるので難しいと思います。
どうにかもう少し対陣して、一合戦して敵に一塩つけてから、安心して引き払います」と言い送った。
すると元就様はまた「両将が一緒に引けば、敵が後を追ってくることもないだろう。
もし敵が追い討ちをかけようとするのであれば、そのときに引き返して一戦に及ぶといい。
片時も早く引いてくれ」と返事をした。
これによって、両将は立花表を引き払うことに決まった。

さて立花の城が落城したとき、杉次郎左衛門尉貫波を差し籠もらせようということになったが、
そのとき杉は、「かしこまりました。
この城は毛利と大友の国争いの大事な拠点ですので、一旦防州に帰って家人たちを呼び集め、
そのほか長期間籠城できる用意を整えたいと思います」と言った。
両将ももっともだと思って杉を帰したのだが、急に立花表を引き払うことになった。

隆景・元春は他にも宍戸隆家・吉見正頼・杉原盛重・熊谷信直・福原貞俊・
桂元澄・宍道広好などと会議をした。
「この大勢を無事に退却させるのはおおごとだ。どうやったら安全に引き払えるだろう」と話していると、
皆「とにかくこの立花城に軍士を入れておかねばなりません。
そうすれば敵が追い討ちをかけてくることはありますまい」と言う。
「それなら誰を残し置くべきか」と話し合ったけれども、
「これからここに留まる者は、勇も智も人より優れているばかりでなく、
忠もまた千人にも万人にも飛び抜けた者でなければ、そのお役目は果たせません」と、
適任な者を選ぼうとしていた。

中国八国の国侍には智勇が人並外れた者がいるとはいっても、
その者が身命を投げ打って忠節と貫くとは限らない。
とにもかくにも、毛利家恩顧の譜代の者でなければならないと、あれこれと名をあげてみて、
吉田の旗本からは坂新五左衛門(元祐)より優れた者はいないだろうと、一人は坂に決定した。
もう一人誰か差し添えようと話し合っていると、隆景の家中の浦兵部丞宗勝が選び出された。
五万にも及ぶ勢の中からたった二人が豊後の大軍を引き受け、
毛利家のために死んでくれる者だと信じて選ばれるとは、非常に類まれなことだろう。

こうして隆景・元春は、安国寺瓊西堂・山県越前守・井上又右衛門などを遣わして、
この二人の者たちに「この城に残って忠戦を貫くように」と伝えると、
坂・浦は「かしこまって承りました。
当家には譜代の諸士が多いというのに、我々二人を選び出されて仰せ付けくださったことは、
軍事に携わる身の最上の誉れです。お心安くこの陣をお引き払いください。
たとえ敵が何万騎で攻めてこようとも、簡単に落とされるつもりは毛頭ありません。
矢が尽きれば潔く討ち死にして、忠志を貫く所存です」と返答した。
これを聞いて、両将は大いに感心した。

こうしたところに、桂左衛門尉(元重)がこう言った。
「今回この城に残るということは、身命を捨てて両将の危機を救うばかりでなく、
毛利家に対して忠志の深さを表し、また士卒の勇猛さを見せることができる、またとない機会です。
それなのに坂・浦の二人だけが残るのであれば、
世の人は皆『毛利家の家老が一人として残って戦の危機を救わなかった』と言うでしょう。
これはこの数人の老臣の恥辱のみにあらず、ひいては毛利家の名に傷が付きます。

私は年齢でも坂・浦の半分にも及びませんので、戦場での勇名もこの二人とは雲泥の差があります。
私などがこの城に残って何の用に立てるのだろうと、自分自身でも思い、また両将もそう思われるでしょう。
しかし桂の名字を継ぎ、家老の職を許された身ですので、ここに残って死を善道に守りたく思います。
桂と申す者がこの城で忠死を遂げたと世の人の口に上るようになれば、
元就公・輝元公の御ためにもなるのではないでしょうか。
毛利家の重臣が一人も留まらないのはひどく口惜しく感じたので、こんなことを思いつきました。
物の数にならない私ではありますが、桂と申す名字に免じて、どうかこれをお許しください。
この城に留まって忠死を遂げ、年来のご厚恩に報謝したいと思います」

両将はこれを聞くと、「今これほどの急難に臨んで、危険を顧みずにそう望むとは。
忠功のきわみ、剛の至り、まことに極めつけの所存である。
こうしたことをこそ、千人の英、万人の雄と言われるものだろう」と大いに賞した。
紀信が項羽による栄陽城の包囲網を劉邦に突破させるために項羽を欺いたことや、
佐藤忠信が義経を逃がすために身代わりとして吉野山に残ったのも、
和漢万里を隔て、古今先年が経っているとはいっても、その忠志に変わりはないと、
人々は皆桂左衛門を褒め称えた。

そのとき、浦兵部丞宗勝が「上層部は再びこちらの方面で戦をしようと思われるだろうか。
それとも近々にはこちらでの戦はないのだろうか。
使者殿、ご内意を少しうかがってきてもらえないだろうか」と言った。
これに坂新五左衛門尉は冷笑して、「無意味なことを申すのだな。
すでにこの城で戦死しようと一途に思い切ったからには、再戦の有無を聞いても仕方ないだろう」と言う。
浦兵部は、「いやいや、そうではない。
またこの表へ発向されるのであれば、かなわぬまでもこの城を守りきってみせようではないか。
そうではなく、自国の怨敵を追討するのに手一杯で、こちらへの出張りが延期されるのであれば、
ここで無益に死ぬよりは、謀略をめぐらして和睦を結んで命を永らえたいものだ。
本国に帰って体勢を立て直してから、今捨てなければならなかったこの地に舞い戻り、
身命を投げ打って戦おうと思う。これが最上の忠功ではないだろうか」と返した。

坂はこの道理に感服して、「それはもっともだ」と同意すると、
両将から遣わされた三人の使者を通してこのことを伝えた。
両将は、「山口・出雲の敵を討伐するには日数がかかるだろうから、九州への再出兵は延期となるだろう。
皆が赤間関を越えたら早々に和睦して城を明け渡し、無事に帰って来い」と返答した。
三人の使者はこの意を受けてまた浦・坂・桂たちに伝えにきたので、この三名は、
「そうはいっても、十中八九は敵が後を追って攻撃してくるでしょう。
そのときにはこの城を打って出て、できる限り防戦し、義に死んでお家のご危難をお救いしいたします。
もし敵がたとえ追い討ちをかけてこなかったとしても、必ずこの城を攻めようとしてくるはずです。
この三人は一途に死を思い定めているから、易々とは落とされないでしょう。
どうか安心して退却してください」と、頼もしげに答えた。


以上、テキトー訳。続く。

これまで出雲だの山口だのの騒乱を淡々と描いて、ここで集約して九州の立花城に戻ってくる……
ヒイイィィ、こりゃ本当に四面楚歌というかまじでヤバイ状況だよね。
と再認識したところで、元就登場だよ!
九州を捨てきれない息子たちに助言して呼び戻す。さすがだよ!
元春・隆景がてんでガキに見えるよ!!!
この爺さま、負けるつもりなんてまったくないのである。
長府が手薄で心もとないからって、元長を一足先に帰す元春もイイなぁ(*´∇`*)トーチャン……

そんでもって、立花城に残る面々も素晴らしいじゃないの。
特に桂元重。 ※元澄はこのころすでに亡くなっていると思うので、書き間違いか写し間違い?
輝元の元服で理髪役やってキャッキャしてた元澄の孫だと思うと、愛しいのぅ。

あとM勝さん。宗勝というと南条を思い出してしまうので、
浦(乃美)宗勝に関してはM勝と呼ぶことにするw
さすが景さまが信頼を寄せるだけあるわぁ(*´∇`*)
堅実で有能。かっこよろしいですな!

次もドキドキしながら続きを読むよ!
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