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2013-01-04

南前の寝返り

だいたいの流れ:
織田と毛利の対立が続く中、境目の国人や豪族たちは、
織田につくか毛利につくか、その選択を迫られていた。
伯耆では南条元続・小鴨元清兄弟が織田への寝返りを明らかにし、
元春らとの対立を激化させている。
南では宇喜多直家が織田に内応したものの、隆景に擦り寄って、毛利が勝ったときのために布石を敷いていた。
しかしこちらでも、そろそろ不穏な動きが出てきたようで……?

そんなわけで本日は南前の情勢を二本立てでお送りしまうす。


横見のこと、付けたり冠山没落のこと

備中の国の冠山には、宇喜多直家から大嶋の入道が籠め置かれていたが、
検使として隆景から横見何某という者が付け置かれていた。

大嶋の入道は横見に向かって、「近年は直家が隆景公の御手に属して忠勤を貫いております。
しかしとある事情があって、直家は信長公へも馬を繋ぎました。
ですから、私としても直家に背いて中国へ協力申し上げることはできないので、
致し方なく敵になってしまいました。
まったく逆心を抱いているわけではないのですが、当国の住人たちが皆信長へ一味していますので、
我らだけが国中の動向に反しているわけにはいきません。
横見殿をここで討ち果たし、羽柴殿へとその首を捧げれば、
羽柴殿は『実に忠義者よ』とお喜びになるでしょう。

しかし、私としては中国に対して刃を向ける気持ちがこれっぽっちもありません。
ただ当家が長く続くように信長に属しただけなのですから、
横見殿を無事に本国へお送りしたいと思います。
船の用意も申し付けてあります。
水夫も手の者に申し付けたいところですが、
それは直家が承ってしまったら信長への聞こえが悪いと思いますので、
あなたがお手勢に仰せ付けてください。
隆景公の御前でよろしくお取り成しくださいますよう、お願い申し上げます」と言った。

横見は大の剛の者だと評判だったが、何があったのか、もってのほかに取り乱して震え声になり、
「御家を続かせるために信長へと一味なさったのですか。
侍はこういうこともよくあるものですから、隆景が直家を腹の底から恨むこともないでしょう。
どうか私のことは、これまでのよしみに免じて、一度本国に戻らせてください。
妻子の顔を一度見ておきたいのです」と、手を合わせて言った。

すると入道父子は、「横見はなかなかのつわものと聞いていたが、
実はそうではなくて、大の臆病者だったのか」と考えて、
「もちろんですとも。はじめからあなたのことは無事に国もとにお返ししようと思っているのですから、
ご安心なさってください」と返答した。
横見が「それなら、ご子息を一人人質として船のところまで同道させてください。
入道殿のお言葉に疑いを持っているわけではありませんが、
この地の豪族たちがどんな狼藉をしてくるかわかりません」と言うと、
入道は異議なく次男の小三郎を一人、人質として横見に渡した。

横見は、「さてもさても、入道殿のご芳志は大変ありがたく思います。
私どもをここで討ち果たしても不思議ではないのに、そうはせずに、
逆に船の用意まで仰せ付けてくださいました。
隆景に対してもご入魂の至りだと思います。
このことは、罷り帰った後に隆景にじっくりと申し聞かせます」と謝辞を述べて、
別れの盃を酌み交わし、その人質を伴って船着場へと退出していった。

横見は、入道が敵方に与すると聞いてこのような振る舞いをしたのは、
怯えたわけではまったくなく、とにかく騙して人質を手に入れようとする謀略だった。
そして六、七町ほど進むと、横見は振り返りざまに、
後ろについてきていた十六、七歳ほどの小三郎を抜き打ちに、一刀のもとに切り殺した。
大嶋入道は門のところに立って、横見たちの後を見送っていたが、これを見て大いに驚いた。

横見は大音声を上げて、「さても大嶋入道よ、たった今敵になった者を見逃し、
命が惜しいからと言って手ぶらで帰る者がいると思うか。
芸陽にはそのような腰抜けは一人もない。
今朝から怯えたふりをしていたのは、あなた方を騙すためだったのだ。
あなたの小さな子を、黄泉の旅路の僕となすために、ああして振舞ったのだ」と言うと、
立ったまま腹を十文字に掻き切って倒れ伏した。
これを聞いた人々は、「なんと大の剛の者だろう。謀略も完璧で、忠もまた類ない人だ」と、
皆大いに感心した。

このことが芸陽に伝えられると、隆景様は、
「では大嶋を攻め滅ぼし、横見の供養にしよう」と言って、
一万騎で打って出、冠山をあっという間に攻め破った。
大嶋入道父子、そのほか三百余人が討ち果たされた。


高畠、心替えのこと

備前の国の児島にいた高畠遠江守も羽柴秀吉へと寝返り、信長へ一味したいと言い送ることになった。
隆景が差し籠めていた粟屋四郎兵衛尉・豊嶋市助が二の曲輪にいたので、
本城に呼ぶと数寄をして茶の湯の後に、
「我らは毛利家に対してまったく逆らうつもりはありませんが、
宇喜多が信長へ一味してしまったので、当国の者として中国方につくことは滅亡を招くようなものです。
ですから、当家を続かせるために信長へ付くことに決めました。
御両人のことも、国もとへとお送りいたします。
そのために関船を三艘用意してあります」と言った。

粟屋・豊嶋は、「そうですか、信長に一味するのですか。
侍は渡り物なのですから、そんなこともありましょう」と言いながら、
キッと目配せをして、高畠を二人がかりで人質に取り、船着場まで一緒に連れて行くと、
そこで暇乞いをして帰っていった。

二人の者たちが船を進めていると、鞆より少し上の三郎の沖で、
来島の海賊船が五艘乗りかかってきた。
粟屋・豊嶋はどちらもなかなかの勇士だったので、
散々に射立ててついには敵船に乗り移り、一艘を乗っ取ってしまった。
海賊たちは、命を捨てては何を盗んでも意味がないと思ったのか、後も振り返らずに逃げていった。
豊嶋・粟屋は、「きたない海賊度もめ、引き返せ、戻って来い」と呼ばわったが、
海賊たちは耳にも入れずに逃げていく。

二人は今度は、「この臆病者どもめ、どこへ逃げるというのだ、引き返せ」と、足を上げて挑発した。
海賊の法で、足で挑発されたら、命を失ったとしても引き返さずにいることはできない。
よってまた取って返して命を限りに散々に戦ったが、今度は互いに勝負がつかず、
引き分けになって引いていった。


以上、テキトー訳。

あらやだ、検使を討ち取らずに船まで用意してくれるなんて、
直家さんてば紳士……(*´∇`*)
これも万一毛利が勝ったときのことを考えての工作なんだろうなぁ、とは思うけどw
ホント抜け目ないってか、こういうとこが政治家としてホント優秀だよな、と思う。

それにしても横見さんは何やってんすかw
若い子を切り殺して自分も切腹しちゃうって、どういうメリットが?
横見「悲しいけどこれ、戦争なのよね」ってことか!
まあ、敵に付いたやつに何もしないで帰るってのができなかったんだろうとは思う。
この人の死をきっかけに、隆景も強い態度で攻めることができたわけだしな。

高畠の章の粟屋・嶋田コンビは高畠本人を人質に取るしな……
最後まで信用せずに気を抜かないってのは大事なことなのかもね。
個人的に海賊船と戦うシーンが面白くて好きだな。
足で挑発されたら引き返して戦わなきゃいけないとか、おかしな法があるもんだね、海賊。
足を上げて挑発するって、具体的にどんな感じなんだろうね?
私の脳裏をよぎったのは、はっぱ隊とか「びっくりするほどユートピア!」のアレなんだが。
もしくはY字バランスでも可。船上でY字バランス……難易度高いぜ。
あと隆景本人が足を上げて挑発したら、別の意味で吸い寄せられそうだぜヒャッハー!

さて、次章は来島さんや村上さんちの話みたいだよ。
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