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2013-03-24

大内家、滅びの予兆

だいたいの流れ:
文化に耽溺した大内義隆の寵を受け、権勢を掌握した相良武任は、
陶隆房・杉重矩・内藤興盛ら重臣と険悪になり、
彼らが自分を討ち果たそうとしていることを知ると、
「彼らは義隆を討つつもりである」と言って、兵を集めさせた。
しかし杉・内藤は恭順の意を示し、隆房は言い逃れしおおせる。
武任は、自分の隠遁が大内家を救うと考え、剃髪して密かに山口を出た。


山口、物の怪のこと

相良近江守武任が山口を逃げ出すと、騒動はようやく静まった。
しかし義隆と隆房の仲は依然として悪いままだったそうだ。
大内家が滅亡する予兆なのか、山口にはいろいろな怪事が起こった。

その昔、築山の客殿の庭に二本の松を植えたときに、
「大内家の繁栄はこの松で占おう。
千代までもと言われる松も、今日からは当家の武運長久にともなって万代を経よ」
と賀して植えられたと言い伝えられてきた。
本当に大内家の武運に引かれたのか、枝葉もよく茂って先年も続きそうなほど緑深く栄えていたのに、
たった一夜のうちに枯れてしまったそうだ。不思議なことである。

義隆卿は早朝に起きてこれを見ると、
「樹木が一夜のうちに枯れ果てる例は唐土にもある。
災いやあやかしは善政に勝らずともいう。
私は外では仁義礼智信の五常に専念して、内々には仏法僧の三宝に帰依し、
徳化を施し修善を勧めている。
私に何の不徳があってこのような怪事が起こるというのだ。
あやかしを見て怪しまなければ、そのあやかしはおのずと敗れるという。
なんでもない振りをしていたほうがいい」と、気にしない様子だった。

心ある者たちは、「国家が隆盛するときには必ず瑞兆があり、
国家が滅びるときには必ず怪事が起こるというから、
大内家にはよくない予兆が現れたのだろう」と言い合った。

義隆もただ事ではないと思ったのか、やがて氷上山で百日間休まずに護摩を焚かせた。
また山門の真珠院、吉野の山伏蓮華院に言いつけて、陶隆房を調伏する修法を行わせた。
またそのころ長門の国の俵山という所では、荒神が人に化身して、
「大内家は長く断絶して、防長豊筑の貴人も賤民も皆路頭に迷い、
上下の位は手のひらを返すように変わってしまうぞ」と、
未来のことをさも見てきたかのように語った。

また、義隆卿が龍福寺で歌の会を開いたとき、
どこの者ともわからない老僧が一人いて、義隆と話をしていた。
それは旧知の間柄のように親しげだったという。
供奉の者たちは「玉堂和尚の知り合いの僧だろう」と思い、
また玉堂和尚は「義隆卿が連れていらした僧だろう」と思っていた。
人々が題を決めて歌を詠んでいると、この僧は樰(あふち)という題で一首の歌を詠んで、
禰宜の民部丞右延へと、
「このように詠んだのだが、和歌のことはもとからよく知らないのだ」と言って、
短冊を一枚捧げた。右延が読んでみると、
「知るや如何に すえの山風吹き落ちて もろく樰の散り果てんとは」という歌だった。
右延がこの歌を吟じようとすると、その僧は掻き消えるように姿を消した。

右延は、「これは陶の反逆によって義隆が滅び果てるというお告げだろう」と思ったが、
このことを発表するのもどうかと考え、胸の内に秘めて人に語ることはなかった。
しかし、その座に居合わせた人々のなかには、この様子に気付いていた人もいた。
そのときは不思議に思うだけだったが、後になって「こういうことか」と思い知ったそうだ。

二、三日ほど経つと、また豪雨が降って風も強く吹いたが、
山口の築山から傘のような光るものが出て鯖山の方へと飛んでいった。
するとやがて富田の方から赤い浮雲が風に吹かれてきて、虚空でその光と行き会い、
やがて光は消えて地に落ちた。
赤雲は山口へと飛んできて築山の上に漂い、その後炎のように燃え立っているようだったが、
夜が明けるとだんだん薄くなって消えた。
これはただ事ではないと、築山では高僧を招いて様々な修法を行った。

冷泉判官隆豊は、「災いや怪事などいまさら始まったことではない。
近年の相良の出世こそが大内家滅亡の予兆だったのだ。
それを知らずに、今になって初めて見たかのように驚き騒ぐのは、愚の骨頂だ。
しかし、今すぐに隆房を討ち果たせば、大内家は安全だろう。
義隆を滅ぼす者は隆房だ。
今あの者を誅さなければ、後に危機に陥るぞ」と、歯噛みをしていた。


以上、テキトー訳。

なんだ、妖怪とか変化の者とかがワンサカ出てくると期待してのに、
そうでもなかったでござる(´・ω・`)
もっと天狗とかが跋扈しててもいいのよ?
いやでもしかし、赤い雲と傘のような光の攻防はなんだかちょっと、
何かを暗喩しているようで……
いや私の頭が沸いてるだけデスネw
どうでもいいけど義隆さん、どこの誰とも知らないおじいちゃんと仲良くしちゃいけません><

そういえば冒頭の松の話で思い出した、昔の話。
私がまだうら若き学生だった春、受験を数ヶ月後に備えた私たちに向かって、
始業式の日に担任の先生がこういい言いました。
「いいか君たち! この窓から見えるイチョウの木、あの葉が青々と茂り、
黄色く色を変えるころ、君らは人生有数の転機に直面する!
あのイチョウが葉を枯らすまで、君たちも全力全霊でがんばろう!
あのイチョウとともに!」
生徒と一緒に一喜一憂してくれる先生だったので、みんなその言葉を胸に勉強してきたんだけど、
夏休みが明けた二学期の始業式のこと。
……イチョウの枝葉が丸刈りにされてますがな!!!
どうしてくれる、私たちの青春!!! などと憤ったものです。
本当にどうでもいい話だったね。
幸先が悪くて逆に奮起したのか、そのクラスのみんなは、ほぼ志望校に進学できたよ!
まあ、思い入れのある木の成長ってのは、けっこう気になるものなんだよね。

私の恩人の家でも、保健所送りから引き取った犬に「さくら」と名を付けたものの、
一年も経たないうちに亡くなってしまい、
それきりその家の桜の木が花を付けなくなったとか。
不思議なこともあるもので。

てなわけで次章! 隆房の決意!
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