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2013-03-28

毛利家が陶に味方した理由

だいたいの流れ:
陶隆房は大内義隆への反逆を決心すると、居城の富田へ隠遁する振りをして
大友宗麟・毛利元就らを抱きこむ計画を立てた。
陶の陰謀に気付いた冷泉隆豊が義隆に陶誅殺を進言するも、
義隆は聞き入れずに、みすみす隆房を討つ機会を逃してしまう。
隆房は計画通り富田に引き籠り、大友・毛利らに使者を送った。

今回は、その知らせを受け取った毛利家の反応。


元就と隆房、一味のこと

さて、大内と陶が一触即発の状態になると、両家から早馬が来て、
元就様に味方になってほしいと言い送ってきた。
元就様が両家の書状を見ていたとき、御前には児玉三郎右衛門尉就忠が伺候していた。
「大内と陶からこのようなことを言い送ってきた。就忠はどう思うか」と元就様が問うと、
就忠は、「殿の思慮には及びませんが、陶と一味なさるのがいいと思います」と答えた。

元就様は、「この毛利家の興亡、身の浮沈はこのときにかかっている。
それなのに、口に任せて何も考えずに、陶に同心せよと言うのは、
まったく軽率きわまる」と言った。
児玉は、「なぜいまさら思案しなければならないのでしょうか。
大内と陶の仲が険悪になり、そろそろ戦争になるということでしたから、
どちらへ一味したらよいかは、前々から愚案をめぐらせておきました。
それを判断しなければならないときになって初めて考えるというのは、
それこそ深慮のないことでしょう。
殿が千度ご思案なさっても、陶に味方すると結論されるはずです」と言って御前を退出した。

児玉はそのまま熊谷伊豆守信直の館に向かい、
「大内と陶から、元就へとこのようなことを言ってきました。
私には考えていることがあります。信直はどのように思われますか。
もし私の考えと一緒なら、元就には私からその考えを申し上げます」と言う。
信直はしばらく目を閉じていたが、ややあって、「このように考えます」と答えた。
就忠は、「私の考えと寸分も違いません。まったく同じです。
やがてご一族や外様の国衆を集めて、評定が開かれるでしょう。
そのとき信直はお考えのとおりに発言なさってください。
私が『もっともだ』と同意しましょう」と固く約束し、自分の宿へと帰っていった。

元就様は、嫡子の隆元様・次男の元春・三男の隆景、
そのほか宍戸安芸守隆家・熊谷伊豆守信直・天野紀伊守隆重、
毛利家の一族郎党としては福原出羽守貞俊・桂能登守元澄・志道上野介広良・同左衛門佐元保・
口羽下野守通良・国司右京亮元武・粟屋右京亮・井上河内守・
赤川十郎左衛門元秀・児玉三郎右衛門・同周防守・渡辺太郎左衛門、
そのほか当家の耳目股肱の家臣をすべて召し集めた。
元就様は「大内・陶両家のうちどちらへ与すべきか意見を出してくれ。
皆、考えていることを残さず言うように」と言ったが、
皆口を閉じ、他人が話し出すのを待っていた。

こうしたところに熊谷伊豆守が座中をキッと見渡し、話しだした。
「皆様がまだ是非を決めていらっしゃらないようなので、
私の愚案の及ぶところを口に任せて吐き出すのは憚られますが、
貴命に応じてこの座に罷り出た以上は、まず私の考えを一つ残らず申しましょう。

私は、今回陶と一味してまずは大内家を滅ぼし、
その後陶を退治なさるのがよろしいと考えております。
義隆は文があっても武がない大将でいらっしゃるので、
何事も仁徳を大事にしようとなさり、刑罰が甘くなっています。
刑罰が甘いと民は驕る習いですので、法があってもまったく重んじられず、
国政も自然と乱れていくばかりか、陶をはじめとして義隆を弱将だと見透かして侮ってしまいます。
だから陶は相良を攻めて討ち取り、狼藉きわまる振る舞いをするのです。
これは皆が上を侮っているからなのです。

話に聞く桑氏の君とは、徳を修めたものの武を廃したことで、その国を滅ぼしたといいます。
今の義隆はその桑氏の君よりも劣っています。
もともと文を第一にして武を知らないだけでしたが、
近年は相良とかいう奸臣を重用したがゆえに、政道はつくづく邪なことばかりで、
諸侍が遺恨を抱き、下民が苛政に苦しんでいます。
杉・内藤をはじめ諸侍は陶に一味しているので、間違いなく大内は近々滅びるでしょう。

そして義隆を滅ぼした暁には、陶隆房は有扈氏の君主のように武を第一にして文を軽んじる将なので、
愛和の仁政というものをまったく知りません。
とりわけ人を賞することはほとんどないのに、刑罰だけは法よりも重くします。
だから、下の者たちが陶に懐くことはありません。
そのうえ驕慢で、すぐに他人を見下しますから、
杉・内藤さえも自分の手下のように扱うようになるでしょう。
そうなれば大内家の人々は皆陶の権力を妬み、陶の奢侈を憎むでしょうから、
ついには仲が悪くなり、そのうち同士討ちをしだして自滅を招くに違いありません。

そのほかの者たちは、これでは身の置き所がありません。
また妻子や一族を捨てがたくて、意志に反して隆房に従ったとしても、
義隆に恩を受けた者たちであれば、心は義隆に向いています。
そこで元就様が陶と合戦に及べば、主君義隆の仇を討とうと、多くの者が味方に参じるでしょう。
隆房を退治するのは容易いと思います。

また、大内に味方して陶を滅ぼすのであれば、
たとえ義隆が武の才能のない将であっても、手勢は陶の倍以上はあります。
それどころか、さすがに歴代の家人たちは、多少の恨みはあっても、
正真正銘の主君に従う者も多いでしょう。
陶は武があったとしても、主君を討とうとしているほどの悪逆の人なので、
人望にも背かれ、天道の怒りにも触れます。
攻めずともおのずと自滅するはずです。

ですから、大内・陶のどちらに味方するかで、相手を滅ぼす速度はまったく違ってきます。
どうか陶と一味なさって大内を滅ぼし、
それから陶をお討ちください」
信直がこう言うと、皆「それが一番いい」と賛同したので、
元就様はすぐに隆房に一味するとの返事を送った。


以上、テキトー訳。

ひいぃ……
ひいいぃぃぃぃ!!!
腹の中が真っ黒なのは元就だけじゃなかったよ。
信直に就忠まで、おっそろしいこと考えてるんだな!
陶に味方する理由が、「大内に味方して陶を滅ぼし、その後大内を滅ぼすより、
陶に味方して大内を滅ぼした後で陶を滅ぼす方が簡単だから」ときたもんだ!
なんつーか……こういう思考は私にはできんわ。
すっかり舌巻きました。そうきたか。
腹黒いとか悪どいとかそういうの抜きに、すごいなぁ。

そしてもう一つ驚いたのは、信直さんがキーマンだというところよね。
いや、語り癖があるのは、下巻で出てきたから知ってるけど。
元就に重大な決意をさせる役回りじゃない。
正矩がこういうポジションに信直を当てたってことは、
やっぱり熊谷家は、正矩の時代でも尊重されてたんだと思うのよ。
だからして、元春の嫁(熊谷氏)醜女説には、熊谷を貶す意図はまったくなかったはずだと思う。

あと、就忠さんが元就にズケズケ物言ってて面白かったw
元就「テキトーなこと言うなよ!」
就忠「テキトーじゃありませんよ前から考えてたからすぐ答えられるんじゃないですか。
   殿のバーカ!」みたいなwww
元就が家臣にやり込められてるシチュエーション、けっこう好きだな。
かわいい(*´∇`*)

ほっこりしたり背筋が凍ったりと忙しい章だったけど、
さてお次は……また冷泉さんが出てくるよってことはまた説教か!
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