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2013-03-29

隆豊、キレる

だいたいの流れ:
文化に耽溺した大内義隆が冷泉隆豊にこっぴどく叱られたり、
大内家の権勢を握った相良武任と、重臣の陶・杉・内藤らが対立して
武任が逐電したりといろいろあったけど、
ついに来るところまで来てしまった……
陶隆房は主君義隆を討ち果たす準備のため、隠居して居城の富田へと引き籠り、
大友宗麟・毛利元就たちを抱きこむ。
運命の日はすぐそこまで迫っている。


冷泉、夜討ち会議のこと

歳月は老いの底より還しがたく、風雲は人の前に向かいて暮れやすし。
というもので、天文十九年も瞬く間に移りゆき、同二十年の春も半分が過ぎると、
義隆卿は残り少ない春の日を楽しもうと、
草鹿・丸物・小弓の勝負・笠掛・犬追物・田楽・猿楽などを日ごろよりも頻繁に催した。

あるときは鶯の声に引き寄せられて花の下で酒を呑み、
あるときはすがすがしい光を愛でようと月の前で茶を弄び、
霞を憐れみ、露を悲しみ、遊興ばかりに身を投じていた。
義隆卿の心は変わってしまって、陶を退治する計画は、まったく話にも出ないほどだった。
これは唐の玄宗皇帝が楊貴妃への愛に溺れ、
華清宮の温泉に浸かって歌舞遊宴に心を迷わしていた故事と同じだった。
その隙に禄山が反逆の兵を挙げ、ひたひたと迫ってきていることも、
玄宗皇帝はまったく知らなかった。

冷泉判官・佐波・天野たちはともに義隆卿の御前に来ると、こう進言した。
「陶の反逆はもう疑いようもありません。急いで御討伐なさってください。
これまでのご様子を見ると、反逆者を追罰なさろうとはせずに、
ただ隆房を調伏するための秘法を行われただけではありませんか。
どういうおつもりなのですか。
武略・計策を用いずに、調伏の修法だけで敵を挫けるのなら、
天台宗の座主や仁和寺の法親王といったような、
貴僧・高僧たちが天下の権勢を握っていなければおかしいはずです。

どうか、急いで杉・内藤をなんでもないような振りをして、呼び出してください。
そのまま取り押さえて人質を取り固めれば、彼ら二人は恩愛の契りを捨てがたく思い、
陶に味方する約束を翻してこちらにつき、忠戦に励むでしょう。

先手を打った者が相手を制することができるのです。
兵を預けていただければ、私たちが陶を討伐に向かいます。
この地を戌亥のころ(午後九時くらい)に打ち立てば、
寅の刻(午前四時ごろ)には富田の城に到着できます。

謀略のことを考えて、陶に恨みを抱いている者たちを前々から富田城内に確保しています。
若山に攻め寄せたならば、その者たちに火をかけるようにと命じるつもりです。
陶がどんなに勇将であっても、夜半に火をかけられて合戦になるとは思いも寄りますまい。
陶が逃げ場を失って慌てふためいているところを突き伏せ、切り伏せ、
ついには悪逆非道の陶の首を切っ先に貫いてご覧に入れます。

もしまた、我らが富田に攻め寄せるのが危ないとお思いでしたら、それはともかくとして、
杉・内藤を騙して呼び寄せ、人質をお取りになればよろしいのです。
彼ら二人が味方であれば、陶が何を考えたとしても、
山口へ攻め寄せてくることはできないでしょう。
自分の居城を攻め落とされないように籠っているのが精一杯のはずです。
そのように威が衰えて自分のことで手一杯になった陶など、易々と討伐できます。

もし事を引き延ばされ、陶が兵を率いて山口へ攻め入ってくれば、
味方が途中まで出向いて防戦をいたします。
そのとき杉・内藤が山口にいて、後ろから兵を挙げて所々に火を放ち、
不意に戦を仕掛けてきたなら、味方は逃げ散るしかなくなってしまいます。
このときはどうか一筋に思い切られ、興亡をかけた一戦をなさればよろしいでしょう」

義隆卿は、「冷泉の意見は、強剛な手段ばかりで柔和さがない。
時間はかかってもいいから、どうにか和睦をしたいものだ」とのんびりと構えたままだった。

隆豊は、「私が再三諫言をしてまいりましたが、まったくお聞き入れくださらない。
だから陶が居城に引き籠ってしまい、簡単に討てなくなったのです。
このような盲将に仕えて甲斐もなく戦死し、軍門に恥をさらすとは口惜しい。
義者は仁のない者のためには死なず、智者は暗君のためには口を開かないといいます。
私も、項羽に従ったものの、楚を捨てて漢に帰った陳平と同じような気持ちです。
どこかに賢将を見つけて仕えたいものですが、忠臣は二君に仕えない習いです。
恥を骸のうえにさらすとわかっていながらも、暗君のために死ななければならないとは口惜しい」
と、涙を押さえ、歯を食いしばって退出していった。

一方、陶隆房はというと、杉伯耆守重矩・内藤下野守興盛と心を合わせ、合図の日を待っていた。


以上、テキトー訳。

なん……だと。冷泉さんの説教なのに1日で読みきれる量だと!?
いや、それだけ事態が切羽詰っているということか……
そんな状況でも故事を引き合いに出して主君をdisる隆豊さんマジ隆豊さん。
「義隆さまのばかーっ!!!」ってなってる隆豊さん、可愛いです(*´∇`*)ハァハァ
言ってることはホント辛辣なんだけどねw
離れたくても離れられないって、それはもしや……恋?(ちがう)

いやしかし、笑えない状況だよ。
こんなときでも遊興に耽溺する義隆はマジでゆがみねえな。
なんていったっけ、こういうの。デカダン?
退廃的というか、古代ローマだかギリシャだかの貴族みたいで、
遠くから眺めている分には楽しそうだよなw

そういえば戦国武将はよく、敵を調伏する加持祈祷とかさせてたみたいだけど、
冷泉さんはさすが冷静だよね。駄洒落じゃないよ。
「そんなもんで敵が倒せるなら、とっくに坊主が天下取ってるわ!」
いや、ごもっとも。

まあ、義隆も本気で隆房を殺したいと思ってるわけじゃなくて、
本当は仲直りしたかったのかな、なんてね、ドリーム。

そんなわけで次章から、いよいよ情勢がキナ臭くなっていくようです。
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