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2018-03-19

新社会人に対する恵瓊さんのハイパーお説教タイム

結局新しいPC買いました。
あとは死んだマシンのデータを取り出さなきゃなんないんですけどメンドい。

てなわけで、まあ更新しない間いろいろ流し読みをしてきたけれども
何かしらテーマに基づいて読んできたわけでもないんですね。
再開一発目は、キャラの濃い恵瓊さんのお手紙を読みたいと思います。

時節柄、新社会人デビューを控えた人々に響くかもしれないと思ったがそうでもなかった。

■萩藩閥閲録遺漏 大多和惣兵衛蔵書 1

安国寺恵瓊、大多和与次兵衛(元直)へ教戒の書簡写

大 与     一任 恵瓊

あなたの勤務態度について、何度か対面して話し、また書状でも注意してきました。
一時は「心を入れ替えました」などといって出向いてきたこともあったのに、
きちんと仕事をしているようには見受けられません。
佐与(佐世元嘉)からも、二日ばかり前、そういう報告が届いています。
あの人も(あなたを斡旋したことについては)悔やむばかりでしょう。

さてさて、あなたについては、父の河内(大多和就重)より男ぶりも良く、
生まれてからこれまで、十分に教育を受けてきています。
親の領地を引き継いでおり、年も若いので、
これから殿様(毛利輝元)に奉公するのに何の問題もありません。

後ろ盾としては私や佐与がいるのだから、あなたがそれほど役に立たなくとも、
仕事仲間にそこそこ認めてさえもらえれば、あなたを出世させることはできます。
それなのに、どういうつもりですか。
あなたがいい加減な気持ちで勤めてそれが見咎められたならば、
そんなあたなを贔屓することは私にもできないことです。

良いことは良い部分を伸ばし、悪い部分は悪いものと切り捨てるのが、
この国における私の使命です。
あなたが不心得のままであるならば、私は真っ先にあなたの敵となるでしょう。

下記、注意点です。

一、業務に関しては、御小姓衆の児玉小次郎(元兼)、平佐源七郎(元貞)などの
  やり方を、続きの部屋からよく見るようにしなさい。
  さてさて、殿様の御身近く、あのように召使われたいものだ、と思いませんか。
  また重臣のなかでは、佐与、二太(二宮就辰)のように成り上りたいと考えてみてください。
  仕事中は普段からそう心掛けてほしいものです。

一、これまで見てきた様子だと、出勤前のまだ家にいるときから
  「ああ、めんどくさいなぁ。今日は何をしたらいいんだろう。
   そのあたりの物陰で無駄口をたたいている愚か者たちと寄り合って、
   誰かの悪い噂でもして盛り上がれればいいなぁ」と思っているようです。
   
  良い人と交流して業務のことを学び、一日でも早く出世したいと思うでしょう。

  誰に対しても、無礼はいけません。
  福原殿などの御親類衆に対しては言うまでもないですが、
  渡石(渡辺長)などの重臣の方々がおいでになったときも、
  姿勢を整えたうえで様子を見て御礼を述べ、「ご無沙汰をしております」とか、
  遠くに使者として行く人には「ご苦労様です」などと言うといいでしょう。

一、主人のことを一番に考えて奉公しなさい。

一、仕事仲間に憎まれないようにふるまいなさい。

一、佐世殿の恩を忘れないようにしなさい。

一、母上様の恩、亡き父上様への弔いだと思って勤めなさい。

一、親類たちの意見に従いなさい。

まだまだ言いたいことはたくさんありますが、体調が悪いため、
今回はここまでとします。          恐々謹言

   九月八日     恵瓊 判
     大 与 まいる

以上、テキトー訳!

私、AKさんの書状、好きなんですよ。
勢いがあるというか、言い回しが面白いというか。
そこいくと、広家はまだおとなしい印象かなぁ。
同じような強い勢いを感じるのは、元長の書状だったりします。

今回の書状、AKさんてばパねえわ。
堂々と「贔屓して出世させてやるからそれなりに仕事しろよ」っつってるね。
やっぱさ……贔屓とか、コネとか、大事なんだね……

よく、法度で「贔屓だて禁止」って出てくるから、禁止されてるものだと思ってたけど、
法律でわざわざ禁止されるということは、横行して弊害が出てたからこそなんだなぁ、と。

お説教相手の「大多和与次兵衛」については全く調べてません!
佐世元嘉のコネで輝元近習もしくは小姓衆に加えられたのは、文脈からわかるね。
そんでもって、AKさんと佐世さんががっつりタッグ組んでんのもわかるね。
毛利家の人事権のいくらか(新規登用分あたり)は、この二人が掌握してそうだね。

というかね、輝元の中央集権を進めた「出頭人」制度の代表格が佐世元嘉なわけじゃない。
出頭人というのは、出身や身分に関係なく「能力のある者」が採用されると思ってたんだ。
でも、「出頭人=能力のあるもの」という図式は、本当に成り立つんだろうか?
論理的にはおそらく成り立たないと思う。

実際の事例において、
 ・どんな能力が
 ・誰(既存の家臣団)に比べて
 ・どの程度上回っているのか
という点で、検証されたことがあるんだろうか? むしろそれを検証し得るんだろうか?
という疑問が、この書状を読んでむくむくと大きくなりました。

輝元側近「出頭人」人事は、いわゆる「お友達人事」ってやつなんじゃないかと……

この疑念を強く持った端緒は、広家の小笠原入嗣騒動を調べていてなのですが、
そちらはまとめ切れていないので、また後日。
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