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2011-11-13

秀吉、涙目www

前回のあらすじ:
人質として京に上った宇喜多秀家母は、秀吉の強引な招聘によって聚楽第に登城した。
秀吉は、その聞きしに勝る絶世の美貌にすっかり心を奪われ、
思わせぶりな歌を口ずさんで、今後はここに住まうようにと命じるのだった。


宇喜多秀家の母のこと(4)

女(宇喜多秀家母)は殿(秀吉)の最後の言葉がなんとなく煩わしく気にかかって、涙に咽んだ。
「私は夫に先立たれ、あとはどんな木の陰、岩の陰にでも身を隠して、
落ち葉を集め衣にして肌を温め、青い苔に座して心の塵を払い、
朝には東に向かって天照大神にお祈りしてありがたいお守りをいただき、
我が子の現世が安らかであるよう請願し、
夕には西に向かい落日の前にたなびく黒・黄・白の三色の雲を見て、
五障の罪(女性は生まれながらにして梵天王、帝釈天王、魔王、転輪王、
仏になれない障りを持っているとする考え方)を滅し、
我が身が来世はよいところに生まれるように願い、
三尊(釈迦如来・文殊菩薩・普賢菩薩)の来迎を待とうと思っていたのに、
こうして心外にも都に上り、見慣れぬ人とのやり取りに心を削らなければならないどころか、
殿のいわくありげなお言葉の最後を聞いて耳が汚れてしまった。
この世が憂鬱だと引き返す川浪に、千度百度濯いだとしても、もとの清さに戻るまい。
心の水が濁っていると、蓮の葉の台が生える縁の障りにもなるでしょう」
と女は思い、惨めになって悲しさに袂を絞るばかりだった。

とにかくここはごまかして自分の宿に帰り、重ねてどんな手段で呼び出されたとしても、
命ある限りは登城するものかと思って、幸蔵主に向かい、
「まだ体調が非常に悪いのですが、殿の仰せは重大なことですので、
この命が絶えようとも一度は拝謁しなければ無礼千万だと思い、ここまで参りました。
しかし、頭もフラフラして心が体から離れてしまいそうです。今夜ばかりはお暇させてください。
また重ねて参りましょう」と言う。

幸蔵主は「おっしゃることはもっともですけれども、殿がここに留め置くようにとおっしゃいました。
お体がつらいのでしたら、ここには著名な医者もたくさんおりますので、
ご病気がたちまち良くなるお薬を出していただけましょう。
見苦しいところではありますが、我らの休息所の部屋にお入りください」と付き添うので、
仕方なくその夜は泊まることになった。

殿は彼女のいるところに忍んできて、障子の隙間からのぞき見る。
ほのかな明かりに照らされ、物思いに耽っている様子で、
起きているとも寝ているとも判別がつかない有様、えもいわれぬ風情は、わき目も振らず守ってやりたくなる。
同じことなら、心が打ち解けてひそめた眉を開き、微笑んだ顔の一つでも見たいものだと思うのだが、
一度振り返れば城を傾け、再度振り返れば国を傾けるという絶世の美女の言い伝えもある。
百の嬌を起こすその顔つきは、ようやく治まった天下をも覆すのではないかと、かえって恐ろしく思い返した。

こうして逡巡していたが、忍ぶ心も弱り果て、
今は新しい土地で物思いに沈んでいるところに浮名を立てるのも罪深いと考えた。
やがて西の台に移動させたということだ。

殿はきわめて色好みであり、上は公卿・殿上人、下は庶民の娘にいたるまで、
見た目の良い女房を探し出してはそばに置いていたけれども、この女房に並べば、皆顔色をなくしていた。
こうなると、数々の女にかけてきた殿の寵愛も、この女房一人に注がれるようになり、
他の女房へのお渡りも途切れがちになる。
その女は、多くの人々から恨みを買うのもまた悲しく、殿の深い情もかえって物思いの種となった。
できれば人の目の隙を盗んで忍び出て、夜に背を向け衣を墨に染め、
後生のため菩提を弔う身分になりたいと考えるようになった。

殿は、その女房が深く物思いに沈んでいるのを見るにつけても、
さらに可愛らしく愛しく感じて、ご寵愛はいや増しに増した。
よってその子供の秀家卿にもことさら憐れみを深くして、
三吉秀次公に天下を譲ろうとしたときは、もし秀次卿が固辞したならば、
宇喜多の秀家卿に譲ろうとまで言ったそうだ。

こうして姫君も養育していたが、広家様が文武全備の良将だったので、
西国で何か起これば広家様を頼りにすべく、殿の婿にしたのだということだ。


以上、テキトー訳。この章はおしまい。

うわあぁぁ。秀吉かわいそう。
そこまで毛嫌いしなくてもいいじゃん。と思ってしまった。
思わせぶりな言葉で 耳 が 汚 れ て し ま っ た とかwww
何度濯いでも汚れが取れないとかさー、
お父さんの洗濯物と一緒にされたJCじゃないんだからwww
なんか、ハタで聞いててもいたたまれなくなる展開だよね。
うん、そんなに汚いものでもないと思うよ、とフォローしてやりたくなるなw

そしてようやく最後で、広家と宇喜多秀家姉が娶わされた理由が語られるんだが、
ついでかよ! ていうか本題すっかり忘れてたわ!

広家……文武全備の良将かぁ。成長したなぁ。
というのも、このところ吉川家文書にすっかりハマっていて、つれづれに眺めてるんだが、
若いころの広家がメチャメチャ叱られてる書状がたくさん残ってて楽しい。
叱ってるのはもちろんお父さんの元春なんだけど、その書状が長い。そして多い。
さすがは元就の子だと思った。元就よりパワーアップしてるかもしれない。
戦陣で「太平記」書写したくらいだから、物書くの好きだし得意なんだろうね。

「服装をちゃんとしなさい」「盃を受けるときは目の上まで上げなさい」とか、
「おまえにとって悪いことは言わないから、どうか聞き分けてくれ」
「五つのうち三つ、四つは気に入らなくても、一つは孝行と思って従ってくれ」
「決しておまえを粗略に思っていないよ」「お返事待ってます」なんて。
いい父ちゃんだな。
こうして叱られてたのは十代後半のころみたいなので、
高校生くらいになってグレる今の若者と変わりなかったんだねぇ。

ああ、吉川三兄弟も気にかかるなぁ。
長男の元長はまともに育ったみたいだけど、次男の元氏もヤンチャして元春・元長を悩ませたみたいだし。
それで元春が元長に宛てて弟たちの行状を愚痴ったりもしてる。これも長いw
早く書状がまともに読めるようになりたいなぁ。
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